PECS®とは何か?発語なし自閉っ子のコミュニケーション術【3歳からPECSはじめました】

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こんにちは、やむやむです☺

我が家の次男ペン太は、5歳になりますが未だ発語はゼロ。単語は全く出ていなくて喃語も少なめ。全くしゃべる気配はありません。

ですが、言語聴覚士さんの勧めで3歳からPECS®に取り組み、相手に自分の要求を伝えることができるようになりました。

言葉のないペン太は、『自分の気持ちを相手に伝えられるスキル』を得たことで、生きていくことがとても楽になったのではないかと思っています。周りの家族もとても助かっています。

自閉症の特性がてんこ盛りのペン太ですが、ありがたいことにパニックは起こしません。そして、気持ちの切り替えが早く、あまり引きずりません。

  • パニックを起こさない
  • 気持ちの切り替えが早い

性格的な部分もあるかもしれませんが、絶対PECS®の効果もあると思っています。今回は、そんなペン太のPECS®の取り組みについてお話させてください♪

この話を読んでわかること

・PECS®は発語の無い子にとってとても便利なツールである
・『気持ち』を伝えることができると、癇癪や問題行動も減っていく

目次

PECS®ってなに?

まずはじめに、みなさんPECS(ペクス)ってご存じですか?わたしはペン太が病院で言語トレーニングを受けるまでは全く知りませんでした(^^;)

少し説明させていただきます↓↓

PECS(ペクス)とは?

  • Picture Exchange Communication Systemの略で、日本語では「絵カード交換式コミュニケーションシステム」と言う。
  • 1985年にアメリカで考案され、当初は、自閉症の未就学児童に実践されてきた。
  • 言葉でのコミュニケーションに困難さがある人たちが、自発的にコミュニケーションが取れるように使用されるツールとして、世界中に広がっている。
  • 6つのフェイズ(段階)から成り立っていて、訓練を行うことにより絵カードを使って自分の気持ちを伝える力が向上し、他者とのコミュニケーションが上手にとれるようになっていく。
  • PECSの最終的なゴールは、ユーザーが日常生活の自立に不可欠な機能的なコミュニケーションスキルを習得すること(発語が目的ではない)。

【参考】 絵カード交換式コミュニケーションシステム(PECS)®ピラミッド教育コンサルタントオブジャパン株式会社

文字にすると少し難しく感じますね(^^;)

簡単に言うと、

絵カードを使って文を作り、相手に伝えるコミュニケーション方法です!(かなりざっくりです💦)

『絵カードを渡すだけってことじゃないの?』と、思ったアナタ!これがなかなか難しいのです(>_<)一見、簡単そうに見えますが、きちんとした段階を踏んでステップアップ(6つのフェイズ)していかないと身につきません。

しかし、習得してしまえば、ペン太のような視覚優位(耳で聞き取るより、目で見る力の方が強い)子にはとてもわかりやすく、便利なツールであると思います。

ペン太訓練の記録

3歳から訓練をはじめる

ペン太ですが、2歳2ヶ月で児童精神科を受診し、2歳4ヶ月から言語聴覚士さんのトレーニングをはじめました。

1年ほど月2回のトレーニングを行ってきましたが、一向にしゃべる気配のないペン太。そこで勧められたのがPECS®でした。(3歳5ヶ月)

PECS®の訓練をはじめる際、言われたのが『ペン太くんが絶対欲しい!と思う、大好きな食べ物(強化子)を用意してきてください』ということ。

ありがたいことに、ペン太は食べることが大好き!どうぶつビスケット、サッポロポテト、たまごボーロ、じゃがりこ…まだまだたくさん。

そんな中、わたしが初回に選んで持って行ったのがみかん🍊でした☺ちょうど11月頃、みかんが美味しい季節。

みかん欲しさに、あっという間にやり方を覚えていたことを、今でも鮮明に覚えています。ペン太の食欲が、PECS習得に繋がったのは間違いありません(^^;)

母もワークショップを受講した

半年ほど言語トレーニングの中でPECS®の練習を続け、フェーズⅣ(簡単な文章を作る段階)まで進んだところで、ちょうど地域の福祉センターが主催の『PECS®レベル1 ワークショップ』が行われるという話を耳にし👂今後、自宅でも取り組んでいくならば、わたしも勉強しなければ!と思い、受講しました。

2日間朝から夕方までみっちりのワークショップでしたが、PECS®以外のお話も大変役に立つものばかりで、とてもとても勉強になりました✨

ピラミッド教育コンサルタントオブジャパン株式会社の、ネグロンちひろ先生の講義はとてもわかりやすく、丁寧。(その頃からネグロン先生のファンであります☺)そして、すごく熱意を感じました!

ペン太の場合は言語聴覚士さん主導ではじめた経緯がありますが、ワークショップを受ければ専門職でなくても誰でもはじめられる(はじめたくなる)内容でした。本も何冊かでていますが、本だけでは少し難しいと感じますので、やってみたいと思う方はワークショップの受講をおすすめします。

受講後はわたしのお尻に火がつき、早々PECS®に使用するブックなどを一式揃え、絵カードをラミネートするためのラミネーターも購入。(勢いって大事です。笑)

ペン太が今まで食べたことがある食べ物の絵カードを作り、おやつの時間にそっとブックを置いてみるところからはじめてみました。

はじめて『気持ち』を伝えてくれた日

コアラのマーチが大好きだった

言語トレーニングでPECS®の使い方は理解していたペン太。ブックを見ると、すぐに意図を理解し、カードを選び、文を作ってわたしのもとに持ってきてくれました。

ペン太がはじめてわたしに持ってきたカードは、

『コアラのマーチ ください』

でした。

『え!』

わたしは正直びっくり。コアラのマーチをペン太にあげたことがなかったのです。まだ3歳だったので、虫歯も心配でチョコレートは意図的に避けていました。

よく与えていたのは、どうぶつビスケットやサッポロポテト、おにぎりせんべいなど。ペン太も良く食べていたので、わたしはそのラインナップがペン太が好きなお菓子だと思い込んでいました。

コアラのマーチは、兄が食べていたのを1個もらったことがある程度。ペン太はこのときに『コアラのマーチって、なんて美味しいんだ!』と思ったのかもしれません。

でも、言葉が話せないので、『ぼくもおやつにコアラのマーチが食べたい!』と、伝えることができなかった。いつも母が勝手に選んだおやつを食べるしかなかったのだと。これって、すごく切ないことだと思いませんか(T_T)

PECS®でコアラのマーチを要求し、おやつで出してもらえたときのペン太の嬉しそうな笑顔は今でも忘れられません。

自分の好きな物を相手に伝えられない、気持ちをわかってもらえない、そんな世界、嫌ですよね。ペン太は今までそんな世界で過ごしてきたのだと思うと、可哀想で涙がでました。

もっと自分の好きなことを伝えて欲しい!

自分の気持ちを伝えるスキルをもっと身につけて欲しい!

ペン太のコミュニケーションが育つよう、PECS®は継続して取り組んでいます。

ちなみに今日のペン太は…

『メロン🍈 ください』

『ペン太よ、残念ながらメロンはないよ(あったことほとんどないよ)
でも、メロンを食べたい気分だったのね。伝えてくれてありがとう!』

そんなやりとりがありました★

ペン太のPECS®の取り組みについてはまた記事にしていきたいと思います。

お読みくださってありがとうございました☺

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